人は目から入ってくる情報でおおよそのことを判断してしまうので、Webサイトにおけるデザインの役割は重要です。 Webデザインはその性質上、グラフィックデザインの要素も情報デザインの要素も工業デザイン的要素も含まれています。各要素を適宜デザインするためには、外せない3つのポイントがあります。
訴求力
ユーザーが求めるものは「結論」です。Webデザインは初見で結論を伝える必要があります。
視認性
性質上、Webサイトは視認性、一覧性が低ということを理解してデザインする必要があります。
導線
Webデザインは美しいだけでは駄目で、求める情報にアクセスしやすくする必要があります。
訴求力
Webサイトがユーザーに閲覧されるきっかけの大半は検索エンジンによるものです。 検索により流入してきたユーザーから次のアクションを引き起こすには「なにができる」という結果を訴求しなければなりません。自身を例にとって考えるとわかりやすいと思います。情報収集時に、一つ一つのWebサイトを隅々まで閲覧しますか?大半は斜め読みで、必要な情報を探すと思います。結果的に求めている情報がサイト内にあったとしても、順を追ってコンテンツを制作していると結論にたどり着く前にせっかく流入してきたユーザーがページから離脱してしまいます。 デザイナーは与えられた情報の中からそれを汲み取りデザインする必要があります。それを汲み取らずデザインした場合はディレクターからのリテイクが来るはずです。あなたがリテイクの多いデザイナーだとしたら、このことに関する理解を深める必要があるでしょう。
視認性
古いWindowsだと文字にアンチエイリアスが掛かっておらず、文字がガタガタです。新しいWindowsでもフォントがメイリオで指定されていなければ文字がガタガタで長時間の閲覧には向きません。 だとしたらMacは大丈夫?Mac使いとしては大丈夫だと言いたいところですが、コンピューター端末は画面が発光しますので長時間閲覧すると目が疲れてしまいます。それが視認性の悪さにつながりますのでWebデザインはそのことを理解した上でデザインする必要があります。またWebサイトはスクロール前提で制作されることが大半なので一覧性の悪さもその特徴です。Webデザイナーはそのストレスを緩和するようなデザインや仕掛けを心がけておく必要があります。
導線
Webサイトはページ遷移やスクロール無しに多くの情報を取り扱うことができません。全ての情報にアクセスするためには、ユーザーにアクションを起こしてもらう必要があります。ユーザーがアクションをおこしたくなるようなUIやレイアウト、スクロールの先にまだコンテンツがあるぞとわかるような、仕掛けを考えるのもデザイナーの仕事です。デザインを直訳すると設計です。デザイナーはWebサイトに置けるユーザーのアクションをコントロールするというシビれる役割を担っています。そのためにはただ見た目を整えるというだけではなく、誰よりもサイトの構造を理解し、ユーザーのアクションを予測しデザインしなくてはいけません。コンテンツがいいのに成果が出ない場合はデザインが悪いのだと思ってもさしつかえないでしょう。
Webデザイナーは先進的、古いくさい、かっこいい、ダサい、斬新、オーソドックスなどの、ビジュアル的要素ばかりに気を取られていてはいけません。そもそも職業デザイナーであるなら、プロなのですからデザインの見た目が良いのはあたり前です。それこそWebデザイナーでなくてもできるでしょう。 あたり前プラスαがWebデザイナーとしての存在価値ではないでしょうか。